技術資料
ファンの概要と特徴
ファンは高密度実装された電子機器の発熱を強制空冷し,熱を放散させ電子システムの寿命を延ばす目的で現在多岐にわたり使用されています。当社では1965年に国産初のACファン「San Ace」を発売以来,その実績をもとにお客さまのニーズに敏速にお応えし,現在までに豊富なラインアップを用意してきました。また今後もさらなる高風量,低騒音,低振動,および低消費電力の製品を研究開発していきます。
ファンはACとDCの2つのタイプに大きくわけられます。
ACファン 1965年(昭和40年)国内初の量産化に成功。●優れた性能 ●高信頼性 ●安全性 |
DCファン 1982年(昭和57年)量産化に成功。●優れた性能 ●低消費電力 ●低振動 ●低漏洩磁束 ●高信頼性 |
DCファンにおいては,長寿命ファン,防水ファン,防油ファン,ブロア,遠心ファンなどバリエーションも増え,お客さまのあらゆるニーズにお応えできる製品を製造しています。
一般に,ファンは自己冷却しているので,モータ自体の温度上昇は比較的低く,軸受部もグリースの温度上昇が少ないため,一般のモータより長寿命が期待できます。軸受寿命は潤滑が理想的におこなわれた場合の理論値であるので実際には潤滑寿命がファンの期待寿命ということができます。DCファンは消費電力が小さく軸受部の温度上昇も少ないため長寿命です。測定条件はL10(寿命試験において製品の残存率が90%),周囲温度60˚C(耐温ファンでは85˚C),定格電圧,連続運転,フリーエアー状態の場合です。右表は当社がおこなった寿命試験などから推定した周囲温度と期待寿命の関係を示したものです。
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
騒音測定値は無響室においてファンを宙吊りにし,吸込面より1 mの所で測定した中心値です。(JIS B 8346による)
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
風量・静圧の測定は,非常にむずかしく,測定装置の違いにより性能曲線の相違がいちじるしい場合があります。
測定装置としてはピトー管を用いた風胴測定装置による方法が一般的ですが,多数のノズルを設けたダブルチャンバーによる方法が精度が良く,当社においてはこの方法を採用しています。

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静圧
1 mm H2O=0.0394 inch H2O1 mm H2O=9.8 Pa(パスカル)
1 inch H2O=25.4 mm H2O
1 Pa=0.102 mm H2O
1 inch H2O=249 Pa
風量
1 CFM (ft3/min)=0.0283 m3/min1 m3/min=16.67 ℓ/s
1 CFM=0.472 ℓ /s
1 ℓ /s=0.06 m3/min
最終更新日:2024年9月